春に訪れたい九州のおすすめ旅行先

寒い冬が終わり始め、だんだん暖かくなってきて春の訪れを感じ始めると、どこかに出かけたいなと思う方も多いのではないでしょうか。そこで、春に訪れたい九州のおすすめ旅行先を紹介していきます。バスツアーなどを利用して、1か所だけでももちろん、日程に余裕がある方は宿泊できるプランを利用しながら、旅行を十分に楽しんでください。
桜の時期にぴったりな柳川
まずは、福岡県の柳川を紹介します。言わずと知れた観光地で、どんこ舟に揺られて名所を巡るお堀めぐりが人気となっています。寒い12月から2月にはこたつ舟が登場しますが、ちょっと躊躇してしまいがちです。暖かな木漏れ日を感じながら船に乗ることができる春は、とても気持ちがよいものです。
また堀割に薄桃色の花びらが舞う桜の時期は、圧巻です。
お堀めぐりがおすすめ
お堀めぐりの始点の河岸には20隻ほどのどんこ舟が待機しています。定員もしくは時間になると、船頭さんが巧みな竿さばきで船を動かし始めます。堀割城内に入る唯一の水門をくぐり少し進むと、左側に甘酒やつまみなどを売っている水上売店があります。
船に乗りながら食べたり飲んだりすれば、さらに風流が増すのでおすすめです。舟が進むと、柳川出身の詩人である北原白秋の生誕100年を記念して建てられた水中歌碑を見ることができます。柳川は白秋を筆頭に、多くの文人にまつわる碑が点在しているので、船を下りた後に探してみてください。
風情ある景色
お濠巡りの見どころの次のスポットが、並倉です。並倉は、味噌や醤油の製造工場として明治後期に建てられた赤レンガの蔵で、水面に建物が映った様子は趣があり、記念撮影にぴったりです。並倉から緑がトンネルをつくる水路を進むと右手に出てくるのが、うなぎのせいろ蒸しで有名な柳川ならではのうなぎ供養碑があります。
また、町のあちこちに残るなまこ壁も舟から見ることができます。なまこ壁とは、平瓦を敷き詰め、隙間を漆喰で埋めて盛り上がらせたもので、江戸時代の蔵に多く見られるもので、とても風情を感じます。
船頭さんの歌が最後を盛り上げる
お堀めぐりで一番の難所といわれる、弥兵衛門橋は橋の下を船が通ることができるギリギリの幅しかないので、船頭さんの腕の見せ所になっています。ゴールが見え始めたクライマックスには、船頭が歌うまちぼうけが名物です。
中国の古い話をもとに北原白秋が作詞した童謡として有名で、みんなで手拍子をしながら一緒に歌えば、さらなる思い出ができるでしょう。
桜の名所である熊本城
次のおすすめ旅行先は、熊本県の熊本城です。先の熊本地震で表情を変えてしまった熊本城ですが、復興のシンボルとして力強く元のかたちを取り戻しています。熊本城は、春になると満開の桜があたりを彩り、とても綺麗です。
また熊本城下には、桜の馬場城彩苑桜の小路があります。熊本県下の特徴ある20以上の店舗が勢ぞろいしており、県内各地の食や土産品がそろう飲食物販施設です。春限定の桜スイーツなどもあり、とても美味しいのでおすすめです。
他にも桜の小路の中には、熊本城の歴史や地域の文化を紹介する観光交流施設、熊本城わくわく座などもあるので、併せて楽しんでみてください。
熊本城周辺の寄り道スポット
熊本城周辺の寄り道スポットとして、人気の高い場所も紹介します。水と緑に囲まれた日本庭園で有名な水前寺成趣園です。東海道五十三次を模して造られた桃山式の回遊式庭園となっています。大池を中心に、築山や浮石などを配し、池のほとりには京都御所から移築した古今伝授の間があります。
春の恒例イベントである窯元市
また佐賀県の伊万里も、春におすすめの旅行先です。伊万里は、鍋島藩御用窯の面影を残す秘窯の里として知られており、名品に出合うことができると人気です。毎年4月1日から5日に開かれる伊万里春の窯元市は、30の窯元による陶器市で、春の恒例イベントとなっています。
期間中は市価より安く購入できるほか、日ごろは店頭に並ばない2級品を破格値で買うことができます。
伊万里焼を楽しむ
さらに伊万里は、細く延びる石畳の通りに窯元が連なっていて、歩いて巡ることができるので、併せて他のスポットも見学してみてみましょう。まずは、伊万里焼のすべてがうかがえる公園として人気の高い鍋島藩窯公園です。
鍋島藩の歴史を再現した公園で、およそ1万5000平方メートルの敷地には、唐臼や陶工の家、登り窯、トンバイと陶片で描いた壁画などがあります。他にも掘り出し物がたくさん見つかる、ノリタケ伊万里工場内にある直営ショップ、ノリタケファクトリーアウトレット伊万里も人気です。
ここでは、絵付け体験コーナーもあり、ノリタケボーンチャイナに、自分だけのデザインを描くことができます。
春の唐津城はとくに美しい
佐賀県には、他にも春の人気スポットとして、唐津城がおすすめです。玄海灘に突き出した東松浦半島の基部に位置する唐津は、毎年11月2日から4日に行われる唐津くんちで有名ですが、桜やフジの花が咲く春の唐津城は、とくに美しいといわれています。
唐津城とは、1602年から7年かけて築かれた別名舞鶴城と呼ばれる城です。
最上層からはゆるやかな弧を描く100万本の松が圧巻の虹の松原や玄界灘などを望むことができます。天守閣の内部には唐津城時代の絵図や武具、甲冑類などが展示されています。また屋敷内に造られた物としては、日本で唯一現存するといわれる能舞台もあります。
独特の佇まいに引き込まれる旧高取邸

旧高取邸もおすすめです。石炭産業で富を成した豪商の邸宅で、一般公開されています。およそ2300坪といわれる敷地に1905年に建てられた大広間棟、1918年の造りとされる居室棟の大きく2棟が建っており、気品と風格を感じさせる見事な意匠の数々を見ることができます。
和風建築のなかに洋間や洋風の装飾を取り入れた独特の佇まいに引き込まれることでしょう。
曳山展示場も見応え十分
毎年11月に行われる唐津くんちの曳山展示場も見応え十分です。唐津くんちに日程が合わなくてもこちらを訪れれば、館内にてビデオで唐津くんちの様子が放映されているので、疑似体験できます。漆を塗り、金銀を施した曳山はまさに芸術品そのものであり、大きいもので高さ7メートル、幅3メートルもあり、14台が展示されています。
春の自然を九重で楽しむ

最後に、大分県の九重を紹介します。標高1000級の山々が連なる九重は、九州屈指の高原リゾート地です。九重の四季折々の風景は、とても見応えがあります。中でも春の時期に訪れると、久住高原の傾斜地を利用した花のテーマパークであるくじゅう花公園では、シバザクラやポピー、チューリップが咲き誇っています。
また、飯田高原の丘陵地にある九重ラベンター園では、綺麗なスイセンを見ることができます。